北の大地に舞え!!〜北海道網走支庁〜
期間;2002年10月15日〜19日
場所;北海道網走支庁


10月15日
出発の瞬間(とき)である。前夜からのかなりの興奮と、学会(実は13、14日と魚類学会に行っていたのでした)準備までの疲れで鼻血が出そうなほど弱っていた貴公子は朝4時起床、羽田発7:55の女満別空港行きJASに乗り込むのだった。定刻よりやや遅れたものの無事9時49分過ぎに憧れの北海道に到着した。・・寒い・・良く見ると山々の紅葉はすでに終わりかけ散り始めている。そうか、北ってのは冬が来るのが早いのね・・体験しないと理解できない愚かな私はしっかりとその事実を実感した。そしてすでに昆虫のシーズンは終わっているのではないかとの不安が唐突に胸をよぎったのだった。実は今回の旅は、従兄弟であり、ゲンゴロウ幼虫を研究しているLarva氏にポイント図を作成して頂いていたのであった。彼は学部の4年間、女満別を中心に悪虐の限りを尽くして網走支庁のゲンゴロウを採りまくっているのでポイントに関してはなんら不安はない。ただ一言、ゲンゴロウに10月下旬は遅いよ、上旬ならいいけど、とのありがたいご神託を頂いているのである。10月15日〜19日は"中旬"である。どうなんだ、実際・・。

まあ気にしていても仕方がないのですぐさまトヨタレンタカーにてヴィッツを借り出発。まずは女満別町付近の池に向かう。ここはLarvaオリジナルアドヴァイス図によればタダゲンとマルガタがいるという・・。まずは大物ゲットだイェー。さて、ほどなく到着。早速ウェーダーを装備し採集活動に入る。むう深い、水が冷たい、まるで冬じゃないかっ(←だから冬だよ・・)。いきなりエゾホトケドジョウが採れた。うわぁぁい。実は淡水魚を研究しているおいかわ丸はサカナ大好きである。感動した。でもゲンゴロウはヒメゲンゴロウばかりである(※ヒメゲンゴロウ;北海道〜与那国島まで至るところで最普通種というスーパースター)。頑張ってすくうもののその他にはオオシマゲンゴロウの胴体、エゾガムシの足、など気が狂いそうなパーツのみである。時期が遅いことが見え見え・・やばい・・。


エゾホトケドジョウ♂♀(右)とフナsp.

と、その時、ふいに巨大な物体がっ!!ああ、それはマルガタゲンゴロウ(15〜20ミリ)。会いたかったよ、君に・・。北海道のものは本州や九州のものとは違いかなり大きくほとんど別種である。でもこの一頭のみであとはオオコオイムシとエゾコガムシだけという悲惨な状況に場所を変更することとした。

次にLarvaスペシャルアドヴァイス図その2に従い、小清水町のとある湿地に向かう。13時過ぎ到着。今の私には何の余裕もない、早速採集である。湿地の中の水溜りは道路をはさんで二つあるのでまず海岸に近い方から行く。・・まずい何もいない・・。と、その時クロヒメゲンゴロウ!!こいつは北海道でしか採れない完璧な北方大陸系のナイスガイである。しかしまたもや一頭のみ。そこで反対側の水溜りへGO。ひとすくいめ、ああっなんとっエゾヒラタヒメゲンゴロウがぁぁぁっ!!!思わず叫ぶ。なんという絶妙なサイズだ。これはやばい。調子づいてがしがしやるとエゾヒラタヒメが多いものの、キタヒメゲンゴロウやシマケシゲンゴロウ、キタマダラチビゲンゴロウ、などがぽつぽつ採れ、いい感じである。じゃあ、そろそろ本番逝ってみようか・・やや深いアシ際をがしがしがしがし・・・
きっキターーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!!!憧れのゲンゴロウモドキが二頭鎮座していた。こちらでは普通種とのことだがやはり初採集の大物は感動が大きい。こんなんが普通種で良いのか!いや良い。凄く良い。思わず口に入れたくなったが水はきれいではないしエキノコックス(恐ろしい寄生虫)も怖いので思いとどまる。 結局ここではゲンモはたくさん採れたので10頭キープした。初日にして大満足である。うむ。


ゲンゴロウモドキ(大)とエゾヒラタヒメゲンゴロウ(小)

さて、北の大地は日の暮れるのが早い。16時半にはすでに夜である。さて、このくそ寒い北海道でおいかわ丸はどうやって夜を明かすのか、心配している読者諸氏も多いと思われるが心配はご無用である。なんと今回、あの、ばいかだ氏(知らないなどという罰当たりな人はわいるどほーむ参照)のお宅に泊めていただけることになっているのである(しかも4泊・・なんという迷惑な貴公子だろうか・・)。 待ち合わせの北見駅まで向かう。

北見駅ではばいかださんと奥様のいいずなさんがお待ちかねであった(←っていうか待たすな、俺!!!)。そのお宅にはばいかださんやいいずなさんの取りためた素敵な生き物フォトグラフが一杯であった。あっレアなヘビとかあるぢゃん・・。お二方とも想像通りのさわやかで素敵なマニアでした。



戻る 次へ