北の大地に舞え!!〜北海道網走支庁〜
期間;2002年10月15日〜19日
場所;北海道網走支庁


10月16日
本日は休暇を取ってくださったばいかださん方と一緒に各地を回ることに。まずはエゾサンショウウオがたくさんいるという水溜りを案内してもらう。北見市のはずれのこの場所にはたしかに異常な数の巨大な頭をした幼生がたくさんいた。これはすごい。ついでにその水溜りにはマツモトマメゲンゴロウやマツモムシ、ミヤマミズスマシなど何気にいたりしたので採集。次に、温泉水が噴出すという留辺蕊町の池に向かう。ばいかださんは仕事がら最近よくこういった温泉水の湧き出す付近をうろついているそうで、なかなかマニアックな場所にその池はあった。ここではクビボソコガシラミズムシやコミズムシsp.がたくさんいた。と、その時いいずなさんが差し出した金魚網の中にはエゾアカガエルが入っていた。北海道特産のこのアカガエルは、しかしヤマアカに似ている。次に、寒い北海道ながらヘビがたくさんいるというこれまた温泉に向かう。露天風呂がありなかなか楽しげである。「ここらへんヘビ多いんだけど、もう寒いからいないかもね」とのばいかださんの言葉にふと足元をみるとヘビの抜け殻がたくさんある。ここではアオダイショウ、シマヘビ、ジムグリなどが見られるようだが、なんとこのくそ寒い時期に幸運にもアオダイショウを一匹見ることができた。さすが天下のばいかだ氏である。ヘビに運のない私は熱く羨望の眼差しを送っていたのだが気づいてもらえただろうか・・。


いいずなさんの捕獲したエゾアカガエル(こども)

午後は私のリクエストで斜里町のとある池に向かう。その付近は今年はクマが非常に出没しているとのことで、緊張感が漂う。さて、その目的の池はすぐに見つかり採集に入る。ヒルムシロやコウホネの仲間の残骸はあるものの、水草は冬モードに突入しておりここでもシーズンが終わりに近いことを予感させる。ここでの狙いは何と言ってもエゾゲンゴロウモドキである。じゃあ僕は一時間ほど採集しますんで・・あろうことか私はばいかださん、いいずなさんを無視して採集を始めてしまった。この罰当たりっ地獄に落ちろっ・・。まあそれでもいいずなさんは適当に鳥見、ばいかださんも池周辺ですくって遊んでらしたので、あまりご迷惑はおかけしなかったとは思っているんですが・・。

まあとにかく、その冷たい水の池にてがしがしっといく。がっ・・いきなりメススジゲンゴロウである。本州中部以北に局地的に分布するエレガントなゲンゴロウである。感動したっ。さてその後ガシガシガシガシガシ・・・・(40分経過)・・・ゲンゴロウモドキ、エゾヒメゲンゴロウ、そしてメススジは採れたものの肝心のエゾゲンモが採れない・・夕闇は確実にせまってくる・・。「どう?採れた?」ばいかださんの優しい一言が胸に突き刺さる・・「いえ・・」があぁぁお待たせしている上に採れなくてごめんなさいっ。ここは湿地帯の貴公子としても勝負どころである。本気になるしかない。最後に残ったやや深い所の水草の塊付近を攻める。・・大量の枯葉、水草を網から出していく・・ううっだめかっ・・ん??・・ぐはぁっ!!!不意にごみの中から鮮やかなオレンジ色の腹部が転がり出てきた。エゾゲンゴロウモドキィィィィィッッッ!!!!!!!思わず叫んでいた(ばいかだ&いいずな氏談)ようであるがあまり記憶がない。その茶色みがかったボディカラーには高貴な気品が感じられる。これはメスであったのでやはりここはオスも欲しいとこである。大体要領はわかったので同じとこを攻める。つぎぃ!!♀。ハイつぎぃ!!♀・・。ぐっ時間がっ、タイムリミットが迫るっ・・。もはや出し惜しみは許されない。貴公子萌え萌えエナジーを150%まで増幅し、最後の一網を差し込む。・・ゴロン・・きっキタ――――――――――ッ!!!!!!オスゥゥゥゥゥッッ!!!!思わず叫んでいた(ばいかだ&いいずな氏談)ようであるが全く記憶にない。
体力のすべてを使い果たしぐったりして帰路につく。


エゾゲンゴロウモドキィィィ!!!!

エゾシカも私を祝福するかのように(多分気のせい)草を食べている。しかしイヴェントはもう一つ。途中車が何台か止まって道沿いの林の中を見てるではないか。運転していたばいかださんが「クマかな?」と一言。近寄って見るとすでにレンジャーやハンターも来ていてクマがいるとのこと。たしかにガサガサと巨大な物体がうごめいているようである。でも良く見えない。降りるのは極めて危険な上クマにとっても良くないので車の中から見ているが、やっぱり良く見えない。前の方の車がどいたのでちょっと移動して見る。と、ちょうどそこにレンジャーの方とハンターの方がいた。そしてその瞬間、ガサリと30mほど先にヒグマが・・がっ・・でかい・・。我々の車→ハンター→ガードレール→クマザサ→ヒグマという配置になりベストポジションである。双眼鏡を貸してもらい見てみると画面一杯に頭が見える。ふいにのそりとたちあがり付近の木に手をかけたヒグマは、決して闘ってはいけないことを実感する巨大さ。つーか勝てない。絶対無理。

でもそのヒグマ、ちっとも逃げようとしない。仕方なくハンターの方は威嚇弾(煙と音が出る)を発射。びっくりしてクマは逃げていきました。またその速さも尋常じゃないっす。かなり機敏なのですね、やはり・・・。もう人前に出てこないことを祈るばかりです。

さて、そんなこんなで今日は大変いろんなことがあり楽しい一日でありました。ばいかださん宅には爬虫類やら哺乳類やらの本がたくさんあっておもしろい。夕食後はミルクティーなど頂いてそれらを見つつ、生き物の話なぞをして寝ました。明日は川である。



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