孤独な戦い
期間;'03,10,13〜10,15
場所;石川県能登半島


10月15日
さて、朝である。天気は良い。せっかく来たのだが諸々の事情により今日の夜には愛知県にいかなくてはならない。朝5時より気合の探索を行う。何と言っても能登半島は聖地であるからにして、そこら辺にうじゃうじゃいるのだろうと思っていた。が、・・

午前中の成果は、ほぼ皆無・・。こんなことってあるんでしょうか(まあ良くあるんだが)。シャープゲンゴロウモドキどころではなく、ヒメゲンゴロウくらいしかいない。非常にヤバイ。何と言っても大物だけに簡単に諦めることができない。ヒメドロムシを試しに採ってみるが、ミゾツヤドロムシとマルヒメツヤドロムシとツヤナガアシドロムシくらいしかいない。いや、まずい、Optioseruvusくらい採れないと、いや、やはりシャープが・・このように混乱すると全くどれもこれも駄目。


天気は良いのよ。

とっとにかく昼飯を食べなくては。混乱した貴公子は昼飯を食べしばし落ち着いた。そして午後は時間がないが、シャープ狙いで池・湿地にしぼって採集することに腹をくくり、出撃。とにかく走り回り、池という池を回るがろくな池がない。これはちょっと期待はずれであった。ああ、もうタイムアップか・・。


まあ、西洋スイレンなんだが・・

と、その時割とヨサゲな池を発見。何か、何かいないか、網を入れるとオオコオイムシが採れた。普通種だが非常にうれしい。ふと足元を見ると、ゲンゴロウことキビスター・ジャポニカスが遊泳しているではないか!!(←今回はこのパターンばかり・・)ひえー、慎重に網を入れ足で追い込むとあっさりと網の中に泳いでいった。なんというか、ほっとしました。大型種はやはりイイ。こいつは九州では珍品なので採集も久しぶりである。この池では結局このくらいしか採れず、帰り際にふと見た岩盤上でクロサワツブミズムシを採集したところで終了・・。うーむ・・不完全燃焼・・。採集記も以上で終了。アフー。


でかいのは良いことを再認識!!ゲンゴロウたん。ちなみに私はオオゲン派でもナミゲン派でもなくタダゲン派である。理由は特に無いが。

今回の採集では、1頭のみとは言え、とりあえず目標のシャープゲンゴロウモドキが採集でき、結果としては良かったといえるかいな。しかし聖地だけにタコどりを期していただけに、甚だ不完全な結果であった。そもそも車がぶっ壊れるのがイクナイ。車の整備は日ごろよりきっちりとしておかなくてはならないことを肝に銘じて、2003年の大型採集旅行はすべて終了した。2004年はどのような戦いが待っているのか。請うご期待!

※追記・・2005年にシャープゲンゴロウモドキは石川県指定希少野生動植物種に指定され、採集も禁止となりました。この旅行記でも書いているように2003年当時でも能登半島の生息環境は特に金沢市に近い地域ではかなり悪化している印象でした。実際に唯一採集した場所は工事現場の資材置き場として8割方埋め立てられた湿地の一部でした。このような状況ではまず、採集禁止という処置もやむ得ないものでしょう。ただ、採集禁止という施策のみでは希少野生生物が存続できないことはいくつかの事例が証明しています。生息環境の保全こそが重要であり、今後はそういった方面での積極的な政策を望みます。希少種保全の最終目標は、採集禁止の指定が解除されるほど個体群が回復することだと思います。近い将来に採集禁止が解除され、また自由に採集にいける日が来ることを願っています。

石川県指定希少野生動植物



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