小さなスター達の競演
期間;'03,6,30〜7,2
場所;沖縄県沖縄本島


7月1日(午前)
朝起きる。ぬおおおおおおお晴れている。すばらしい!!もう一度言う、晴れてますよ!!夏の沖縄が晴れているとこんなにすばらしいものだとは思いませんでした。皆も観光に来よう。今日はまず朝一で、タテスジハンミョウを探しに出る。ここら辺りにいるかもよ、ってな秘密情報を入手したので、その辺りをしばし徘徊。やや開けた、人工的な建造物の周辺なのではありますが・・。しばらく探すとブィィィン、とハンミョウ飛びをする物体を発見。早速トラマエルと、これはオキナワハンミョウであった。本土のハンミョウと良く似ているが、別種とする見解が有力である。とても綺麗。まあこれも初採集なのでうれしいのですが、目的はタテスジハンミョウです。目がなれると、そこら一帯にオキナワハンミョウが飛びまくっているのが見受けられる。こんなに凶悪そうな物体と共存できるのか・・ひょっとしてもう絶滅してしまったのでは、と心配しながらもさらに十分ほど探すと、プィィィィン・・とちょっと控えめにハンミョウ飛びをする物体を発見。ん、おおおお!!こっこいつはっ!!と思うより前にホチュウ網(と言っても水生昆虫用のタモですが・・)でズビシィッと捕獲。手の中で蠢くその物体は紛れもないタテスジハンミョウでした。かっこええ。さらによーく探すと、少ないながらもタテスジハンミョウは何頭も生息していた。なんかオキナワハンミョウに押されているっぽかったのであまり採ってもナア、ということでとりあえずオスメス1頭ずつ採ってここを退散した。まずは目標ブツゲット。とても綺麗、うむ。


タテスジハンミョウ

さて、次なる目標はノムラヒメドロムシである。通称ノムラエルミスと呼ばれる(←通称というか属名だが・・)このお方は、極めて珍品と従来言われていた種であることでも有名である。さあ、貴方もお手元の保育社刊・原色甲虫図鑑(2)のノムラヒメドロムシの解説をチェックしよう!!"基準標本以外の記録はない"、などと刺激的な言葉が!!ところが、最近のヒメドロブームのあおりで、実は普通種とは言えないまでもポイントに当たれば割と採集できることが明らかになってきているのだ。そして、そんなノムラエルミス氏は沖縄本島でも発見されている。これは狙わないわけには行かない。さらに闇情報によると、本島では中部に採集例が多いという。ワタクシにとって情報はそれで十分である。いそうな環境も目を閉じれば念写出来るくらいにイメージできているッ!!いくぜ、行くぜェッ!タテスジのエナジーが続くうちに本島中部の山へと向かう。


リュウキュウヤマガメ
徘徊中に出会った。初見!!かっこええ!!

さて、ヒメドロムシのポイントを探す際に重要なのは山と川である。川に依存する昆虫なので、むしろ止水性のゲンゴロウなどよりは地図上からポイントが絞りやすいとも言えるでしょう。とにかく川沿いに走って、沢だの湿り地だのを探せばよいのである。そして、発見、まさにイメージに合致する沢が。ここにいなければどこにもいないという感じである。必殺のヒメドロネットを駆使して採集を行う。泥だの落ち葉だのを掻き分けて一人、真夏の亜熱帯樹林にたたずむ貴公子・・。おおっ何かおるっ!!それは、ウエノツヤドロムシであった。控えめなカラーリングが実に渋い。こいつも欲しかったヒメドロムシである。さらに、ネット上の落ち葉を掻き分ける。そのときッ!!!があああいたああああッッ!!!!皆のヒーローノムラエルミス!!!ノムラエルミィースッ!!!!ヤター!!そう、そこにはあの夢にまで見たノムラヒメドロムシが鎮座していた。なんという奇抜なデザイン。おっ落ち着け。震える手でそいつをつまむ。いやー想像以上にでかいですなー(筆者注;約3ミリ)。ひらべったい分同サイズのヒメドロより大きく見える。結局この沢ではウエノツヤドロムシ6頭、ノムラヒメドロムシ2頭を採集することができた。満足だ。そろそろ昼なので昼飯を食べに町へ降りよう・・と、車を走らせているとちょっと日陰の良い感じの沢を発見。さっきのノムラ風の沢ではないが、他のヒメドロがいそうである。どうしようかなあ・・と足元を見るとシロスジメダカハンミョウがいるではないか!!問題なく採集モードに突入し、シロスジメダカは2♂♂1♀を採取。沢自体は結局たいしたものは採れなかったものの、十分満足です。いや、まだ午前が終わっただけですよ・・


沢で採れた生命体(銀色の円盤は一円玉)
上段左の5頭がウエノツヤドロムシ、右の2頭がノムラヒメドロムシ、なんか小さい2頭がヒドラエナの一種(オキナワダルマガムシ?)、変な1頭はアリヅカムシの一種。



戻る 次へ