敗北〜奄美大島〜
期間;2000年8月19日〜8月23日
場所;鹿児島県奄美大島


8月21日
朝起きて金作原林道へ。住用の方へ抜ける道を行ったが、トラップがたくさん仕掛けてあり、あーこっちの方が良かったかも・・と少しブルー。そういえば途中、我々の目の前に何やら鳥が。あれはなんだ?カラスか?いやハトか?そうそれはカラスバト・・・。いい名前だとその時思った。次に油井岳の方へ回ったがたいして何もなく宇検村へ出た。昼食後湯湾岳へ向かう。ここは"動植物採集禁止"と明言してある感じの悪い場所なのでぶーたれてうろうろする。バーバートカゲと思われるスキンクがたくさんいたので、ふはははは"採集"してやるぅぅ・・とトカゲを追っかけまわして遊んだ(←まねしてはいけません)。だんだん昆虫採集がどうでも良くなってきた。

湯湾岳
湯湾岳でふてくされる貴公子(楽しそう)

夜はバブーン氏が仕入れた情報を元に、"アマミノクロウサギが見れる"という住用付近にある林道に行くことにした。真面目にみるなら日没直後だ!!ということで林道の入り口で日が沈むまで待機。では、出発。緊張の一瞬である。走って10分、カーブを曲がった瞬間車の中の全員がえっ!?・・・凍り付いた。その時僕は助手席にいたのだが、車のライトに照らされたわずか10mほど先に3頭ほど赤い目をした黒いもこもこしたものがいた。それをあれと認識するまで約1秒。うお〜〜〜〜〜やってもうた。あの珍獣、アマミノクロウサギをあっさりと見てしまった。彼等はもそもそとゆっくりと薮のなかに消えていった。しばしの沈黙のあと、全員で拍手。無口な小動物班のみんなもこの時ばかりは感動の言葉を述べていた。いやーラッキー。しかし僕はこれで僕が勝手に決めた日本産四大珍獣のうち3つを見てしまったことになる。運を使い果たしてないだろうか?これからが心配である。

*筆者注;独断と偏見で決めた日本四大珍獣@イリオモテヤマネコ(特天)Aツシマヤマネコ(特天)Bアマミノクロウサギ(特天)Cニホンカワウソ(特天)(←しかしこれは一生見れまい・・っていうかいるの?)

この日はこの林道で他にアマミヤマシギやアカショウビンも見れ、とても充実した観察ができた。ぼくはもう自分が昆虫採集に来ていることなど忘れていた。まだまだ時間も早かったのでそのまま古仁屋でタシロヤモリを探すことにした。古仁屋についたのは夜9時過ぎだったのだが、何故か人がやたらと出歩いている。大きな橋のたもとに明かりに照らされた街路樹があったので、ここはいそうだ、ということで探す。いた。タシロヤモリはたくさんいた。しかし速い。速すぎる。なんとか4頭ほど採集して、これらは飼育することにした。 採集してる間、夜散歩の町の人にやたらと声を掛けられた。
「何とってんの?クワガタ?」
「いや、ヤモリです・・・」
双方に気まずい空気が立ち込めた。もお、どおでもいいや・・・。


ヤモリ探し中。古仁屋のみなさん、怪しくてすみません・・



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